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月→土勤務の外資系風バリキャリ妻と元気いっぱいの2人の息子たち。2012年度、2017年度と2回育休を取得。育児ブログです。

【柔術】ナツオ☆小4の挑戦。全日本キッズ柔術選手権での大健闘。

はじめに。

徐々に日常が戻りつつあり、ブラジリアン柔術の大会も頻繁に開催されるようになった。昨秋の全日本大会で優勝し、灰帯に昇格したナツオ。

www.iqo720.tokyo

本人はしばらく大会に出る予定はなかったものの、先日行われた全日本キッズ柔術選手権に大親友がエントリーしたことを知り、急遽ナツオもエントリー。柔術歴はそこそこ長くなってきたナツオだが、灰帯歴はまだ半年。まだまだ色帯ビギナー。色帯の世界はレベルがとっても高かった。

 

厳戒態勢の中での大会開催。

今回の会場は横浜武道館。十年ぶりくらいに久々に関内に降り立つ。館内まで来たからにはベイスターズの応援に行きたくなるが、今日の主役はあくまでもナツオ。ハマスタとは反対方向に向かっていく。

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こんなご時世なので大会運営はとても厳格。濃厚接触なスポーツのブラジリアン柔術をやるというのはリスクと常に背中合わせ。ここまでするのかというくらいに安心安全に配慮されていた。スムーズな大会運営には感謝しかない。

入場できるのは、セコンドをするジムのインストラクター、選手、保護者1名のみ。入場制限については厳密に管理されており、会場に入る時とエントリー確認の時と受付が2回もある。横浜へのお出かけということで妻とレンタ@年長も一緒に会場までは行ったが、アップゾーンに入ることもできず最初の受付でお別れ。泣き叫ぶレンタを背に会場に入る。
受付時は検温と顔写真付のIDカード(免許証等)によるチェック(保護者)を経てようやく会場入り。試合会場とアップゾーンは完全に分かれており、試合会場に入れるのはセコンド、選手、保護者1名×2(自分と相手)の6名のみ。それ以外の選手は広いアップゾーンで待機。よって同じジムの仲間の応援に行くこともできない。
アップゾーンは広いし、かつ試合カテゴリーごとに全員入替の3部制なので密になることはない。当然全員マスク着用でしっかりとルールを守って待機。
とは言っても、アップゾーンは和気あいあいとしており、試合前の選手に試合が終わった選手がアップに付き合ったり、試合終わった選手同士で遊びまわったりと和やかで楽しい雰囲気。適度な緊張感と緩和された空気が心地よい。

 

体重はOKだけど柔術衣がNG。

安心安全に闘うためにブラジリアン柔術は階級が細かく分かれている。特に成長期であるキッズは無理な減量をしないですむように体重が3、4キロ刻みで細かくわかれている。
前回の大会参加時は一週間前からギリギリになってきたので、おやつで調整していたが、今回は規定体重より800グラムも余裕があってのクリア。当日朝の段階で規定体重マイナス1kgだったので、余裕をもって朝ごはんを食べられた。一緒に参加していたジムの仲間は体重がギリギリだったので前日から食事コントロールをしっかりやっていたよう。会場で会うなり「おなかすいた~。」と嘆いていた。子どもであっても規定体重をオーバーしたら失格。ルールがあるから安心して楽しめるし、ルールが守れないとマットに立つことは許されない。

しかし今回は体重はOKだったが、柔術衣がNGとなってしまった。安全安心の為、公平に競い合える為、柔術衣に関する規定も細かい。腕や裾の長さや大きさ、帯の長さについて試合前にしっかりとチェックされる。今回ナツオが引っ掛かったのが、ズボンのほつれ。穴は開いていないものの、週に4回も練習していたのでいつのまにか生地が薄くなっていた。スタッフによるチェックではOKとなるものの、スーツ姿の責任者らしき人による再チェックでNGとなる。
「試合の流れでズボンをつかもうとした際に指で破いてしまい、そのまま引っかかってしまったら危なく、事故につながってしまう」と。
まったくもってその通り。確かにちょっと力強く突っついたらすぐに破けてしまいそう。万が一に備えて用意していたスペアの柔術衣に急いで着替える。汗で激しく濡れてしまったり、鼻血等で血液が付着してしまうと衛生的観点から次戦では着用できないのでスペアを用意していた。しっかりと準備しておいてよかった。

コロナの為に大会運営の手間も費用も以前よりかかっているのだろう。今回の参加費用は13,000円!(コロナ前は5,000円~7,000円くらい)。決して安くないお金を払ってマットに立たせられないとなると悔やんでも悔やみきれない。マットに立つまでは大人の責任。予想外の展開に慌ててしまったものの、最低限の責任は果たせた。

強豪相手に冷静沈着に闘いきったナツオ。

ナツオはトーナメントを2回勝てば優勝。3位決定戦はないので負けても銅メダル確定。ナツオ以外は灰帯歴が長い強豪ばかりなので、私の中では負けるの前提。今回は経験の為の出場であり、ケガさえなければ、心が折れなければいいかなと思っていた。
そんな私を後目にコンバッチ!の合図とともに積極的にしかけるナツオ。秒殺での一本負け覚悟の私と違ってナツオは勝つ気満々。決して負けていない。
下から攻めるナツオとそれを上からパスして攻めてくる相手。一進一退の攻防。緊張感が漂う好試合。何度か危ない局面があったものの、しっかりと相手をコントロールしてポイントを取らせない。
セコンドについてくれたインストラクターの的確な指示が飛び交うが、相手はベテラン灰帯。そう簡単には攻めさせてくれない。息詰まる4分間の攻防。声を出していいのはセコンドだけということもあり、静寂の中で闘い合う選手は神々しかった。
一進一退の攻防が続いたままタイムアップ。長く短い4分間。見ているだけで窒息しそうになった。規模の大小はあれ、私の中ではオリンピック日本代表を懸けた阿部一二三と丸山城志郎の試合と同じくらいの大熱戦。どちらも譲らずにポイントは0-0のままなのでレフリー判定で勝敗が決められる。

結果、レフリー判定でナツオの敗退。相手の方がより積極的に攻めていたと判断された。レフリー判定はPK決着のようなもの。ここまできたら勝ち負けはどうでもより。闘い切ったことを褒め称えたい。
4分間闘いきって疲れたのか、予想外の幕切れに緊張がきれたのか、呆然とするナツオ。レフリーに促されてようやく挨拶をする。まさに死闘。負けはしたものの大善戦。良いものを見せてもらった。


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おわりに。

試合後に行われた表彰式の準備中に負けた相手に話しかけているナツオ。オリンピックや世界選手権の表彰式で見かける光景。楽しそうに何を談笑していたのか。
終わった後にナツオに尋ねると「決勝どうだった?勝った?」と話しかけ、相手が負けてしまったので「そっか。負けちゃったのか。君よりもっと強いのか。」と会話していたとのこと。

凄いなナツオ。そのコミュニケーション力は素晴らしい。いくら柔術がパーソナルスペース0の競技ゆえに比較的仲良くなれやすいスポーツとは言え、そんなにも気軽に声をかけて仲良く会話できるなんて。負けたばかりで悔しい気持ちもあろうに。大人だってなかなかできるものじゃない。そのコミュニケーション力はナツオの立派なアビリティ。社会に出た時にものすごい力を発揮するはず。

初戦敗退ではあるものの銅メダルに変わりはない。これでナツオの戦歴は白帯で全日本1位。灰帯で全日本3位と結果だけみればそれなりの実績。ナツオがブラジリアン柔術をやめたとしてもいつかどこかで自信につながってくれるはず。それだけで十分です。

 

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