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月→土勤務の外資系風バリキャリ妻と元気いっぱいの2人の息子たち。2012年度、2017年度と2回育休を取得。育児ブログです。

【柔術】40歳を前にしての挑戦は敗れたものの爽やかな後味でした。

はじめに。

前回ブラジリアン柔術の大会に初エントリーした旨を記事にした。

www.iqo720.tokyo

はたしてどうだったのか。ようやく記事にまとめることができた。本格的にやっている人からみたらたいしたことがない、ほんの数キログラムだったけれども減量も体験した。朝晩体重計に乗り、昼食はサラダと味噌汁中心の生活。プチストイックな生活を頑張りました。

結果は銅メダルでした。

結果は銅メダル!成績だけ見れば三位、なのだがこれは本当に成績を見ればだけ。一試合しかしておらずしかも完敗。

何度も述べている通り柔術の大会は生まれ年代×体重×帯色と細かくカテゴリーが分かれている。私が出場したカテゴリーはエントリー人数が4人だけ。そして3位決定戦は行われなかったので計量をパスしてマットの上にさえ立てばその時点でメダル確定である。大会数日前にエントリーが確定し、勝ち負け関係なくメダルがもらえると分かった時点で最後の調整に気合が入る。やっぱり手ぶらでは帰りたくない。2人しかエントリー者がいない階級もあるがだいたいは6人前後が多い。減量頑張ってよかった。ブルーオーシャン戦略成功。中年世代になっていくと軽量級の方がエントリーが少ない。よって私にとっての闘いはマットの上ではなく、そこに上がるまでだった。

しかしマットに上がるまでが試合開始直前まで大変だった。体重計量は大会開始時ではなくそれぞれの第一試合開始直前。エントリー番号で呼ばれたタイミングで道着、免許証等によるID、体重チェックが行われる。私の試合は午後2時。朝の段階でピッタリにしていたので安心していたが、お昼ご飯を食べると不安になる。そこでお昼は会場におにぎりを持参し、予備計量用の体重計におにぎりを持ちながら慎重に計量。理論的には短時間ならば食べた分以上には増量しないはず。午後2時までの長い間、おにぎりを持っては体重計に乗り、水を飲んでは体重計に乗りの繰り返し。初めてだからどうしても慎重になる。試合で相手に負けるのはしかたがないが、自分に負けて試合に出られないのは情けない。それだけは避けねばと慎重になってしまう。

 

声援は力なりを実感。

慎重になったかいがあって計量は余裕でクリア。いざマットの上へ。

久々に味わう緊張感。こんなに緊張するのって中高それぞれの部活の初めての大会以来。懐かしい。とてもソワソワする。

対戦相手は同年代、同体格。なんだけど道着の下からチラチラと除く立派な絵画にドキドキしてしまう。ワンポイントではなく両胸にまたがる絵画。

「優しそうなお顔だけどどんなお仕事されているんだろう?」

とドキドキソワソワしているうちにコンバッチ!(試合開始)の合図。やりたかった攻撃をあっさりとかわされてパニックになる。気が付けば抑えられていた。どうしよう、どうしようとパニックになっていたけどマットの下から見上げた天井の高さに「あぁ、俺は今こんな立派な武道場で試合しているんだよな。ジムと違って天井がべらぼうに高いな。」なんて感動していた。

「あの日見上げた天井の高さを僕は生涯忘れないだろう。」

なんてタイトルで一本書けるくらいの感動があった。

「やべーな、どうしようかな。」なんてもがいる間も試合開始前からずっと耳に届くジムの人たちからの声援が力になっていた。私は週に一度しか参加できていないし、基本は日曜日の昼間なので終わったらすぐに帰宅しているし、まだまだ白帯だから強い人同士の会話には入っていけないしとジムの人達とはそこまで親しくなりきれていないのだが、ジムの人がたくさん、たくさん応援、声援、アドバイスを送ってくれている。「イクオさんファイト!」「まだまだいけるいける!」とひっきりなしと。恥ずかしながらその応援が嬉しくて抑えつけられながらもひっそりと涙していました。この歳になって家族以外の誰かからたくさんの声援をもらえるなんて。ただただ嬉しい。そしてその声援の力のおかげで心が折れることなく動くことができた。結果的には絞められての一本負けだったがしっかりと闘いきることができた。

私が負けてしまった直後ジムの人たちは応援していた妻やナツオに向かって「イクオさんは本当に強いんですよ。」「あんなもんじゃないんですからね。」と熱く声をかけてくれていたらしい。そしてマットを下りた私にたくさんの人たちがねぎらいの言葉をかけてくれた。体育会系経験ゼロの妻はその光景に感動していたとのこと。誰かのために一所懸命応援している姿や互いにねぎらいあう一体感に。私と同じようにスラムダンク好きな妻は私の姿が海南大附属の宮益とだぶったそう。うまくはないけれど真面目にコツコツやっていたからこそ人望が厚いってのはこのことか。と。「イクオさんいけるいける!」といった試合中の声援がまさにそんなシーンだったようで、「大会に行っても柔術はまだよくわからないけれど、大会のあの一体感を味わえて本当に良かった。」と感動していた。

 

マットに立った時点でみんな勝者だと思う。

負け惜しみのように聞こえるかもしれないがマットに立った時点でみんな勝者だと本当に思う。仕事に家庭に練習にと色々と両立させた上で体重コントロールとも闘わなくてはならない。昼だけとは言え、一か月はひたすら冷ややっことサラダ。お酒だけは飲みたいのでその分おやつや揚げ物といったカロリーはとらない。そんな毎日。

だからか計量を終えてマットに立てた時点でもう満足していた。みんながみんな同じ状況なのだろう。試合後は相手ととても爽やかに握手。マットを下りる時も「またやりましょう。よろしくお願いします。」と爽やかに談笑。とても良い人だったので初対面だが表彰式の時も雑談をしながら記念撮影させてもらった。なんとも言えない爽やかな時間。柔術は打撃系の格闘技と違って密着する格闘技だからパーソナルスペースは常にゼロ。だから自然と親しくなるのだろうか。ジムの人たちには怒られてしまいそうだが負けても全く悔しくない。楽しかったという感情ともっと頑張ろうという感情が半々くらい。

おわりに。

試合当日も含めてとてもとても濃い体験だった。何かに挑戦する機会がどんどん減っていく中でのとても刺激的な世界。試合が全てではないが試合に参加しなくては見られない世界があるということがよくわかった。マットに上がるまでの準備、試合の緊張感、いつまでも耳に残る声援、試合後の爽やか空気。全てが最高。

ナツオは銀メダル。対して私は銅メダル。 

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おやじの背中はあっけなく超えられてしまった。試合後にはナツオにいっちょ前に「あの時にパスされたのが敗因だったね。あそこですぐにガードに戻さなきゃ。」なんて注意されてしまった。なんか悔しいがこれまた最高に楽しい。居間に飾ってある銅メダルと銀メダルが揃って金メダルに代わる日まで親子で頑張っていきます。


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