喝!
世の中何でもかんでも「活」をつければいいってものじゃない。
部活を引退すれば就活が始まり、就職が落ち着いたら婚活が始まり、成功したら今度は妊活。子どもを授かったら保活となり、今度はラン活。いったい、終活までにあとどれくらい活動させられるのだろう。
秩序のない現代にドロップキックである。
保育園の掲示板に「ラン活」講座のお知らせがあり、興味本位で手にとった。まさか保育園にラン活のお知らせがあるなんて思いもしないから。
場所は近くの児童館。
つまり、これは区のオフィシャルなイベントということである。
最初は「ラン活」=「RUN活」かと思い、健康促進の為のイベントかなと思ったのだが、よく読むと「ランドセル購入活動」のことだった。
テレビの世界で騒がれているラン活は本当だったのか。
しかし、ラン活はオフィシャルな言葉なのか?と言葉を愛する身としては不思議に思ってしまう。
ナツオはまだ年中組なので明らかに早いのだが、場所が児童館ということだし、つまらなかったらすぐに退出しようと思いながら参加することに。
児童館の会議室スペースで行われたラン活講座。
ざっと見、30名弱の保護者達と10名くらいの子ども達。
近くの児童館&保育園にパンフレットが置かれていたこともあり、同じ保育園のお友達ばかり。
講師として某百貨店のランドセルアドバイザーなる人がランドセルの選び方の講義をしてくれた。
素材の違い、人気の色・デザイン、大きさの違い、各製品ごとの特徴などなど。
区のオフィシャルなイベントということもあり、特定の製品の宣伝とはならないように配慮されている。
客観的に学ぶいい機会であった。
知れば知るほど驚くのがランドセルのガラパゴス進化っぷり。
原型は私の小学校時代と変わらないのに、こんなにもかゆいところに手が届くほど進化しているとは。
ランドセルの留め具や横のきんちゃく袋をぶらさげる金具など、細かいところの進化っぷりに驚いてしまう。
子ども時代の多少の不便さは必要悪と思っていたが、そんな時代ではないらしい。
日本の技術を駆使すればランドセルもまだまだ進化できるのか。
IOT時代だし、そろそろランドセルもつながる時代だろう。
時間割表を挟み込む場所が液晶になって、時間割や持ち物、宿題が毎日更新されるといった、それじゃない感満載の進化を望む。
さて、とてもためになるラン活講座であったが、子ども達の大半がナツオのクラス。
年長さんよりも年中さんの方が多い事に驚く。
つまり、年長さんはある程度ラン活が終わっており、年中さんが動き出す時期だってこと?
どれだけ前倒し社会なんだ。
経団連さん頼みますよ。
就活をきちんとコントロールしているんだから、ラン活もきちんとコントロールしてください。
経団連加盟企業の社員は○○月にラン活解禁します!って宣言してくださいよ。
ラン活講座の後半は実物のランドセルを背負っての体験会なのだが、お友達がたくさんいたので想像通りの展開となる。
凡人が3人集まれば素晴らしい知恵が生まれるが、保育園児が3人も集まれば祭りが始まる。
お友達が6人も集まったこともあり、もうカオス状態。
ランドセルアドバイザーがお話ししている横で闘いごっこや鬼ごっこが始まる。
講師と保護者の間にはプレイマットが敷かれており、子ども達を挟んでの講義にすることで安心してお話しを聞ける環境を整えてくれたのだろう。
しかし、それが完全にあだになっている。
プレイマットで騒ぎだすナツオ達。
そりゃ、休日にお友達と会えたら楽しくなってしまうだろう。
結局、私が子ども達を後ろに連れて行って面倒を見ることに。
子ども達の相手をしつつ、それぞれのママさんが順番に子どもを連れてランドセルを体験させていく。
一緒に遊びださないようにうまくコントロールしながら子ども達を渡して行く私。
結局、貴重なお話を聞くこともできず、息子のランドセル姿も見ることができず。
その代わり妻や他のママさん達からご評価いただいたので良しとしよう。
本気で悩んだら悩みだすラン活講座。
ざっくりと理解することができて良いイベントであった。
あとは経団連の本気を見せてもらうだけである。