祖父とナツオ。
相変わらず危篤状態の祖父。
それでも少しは落ち着いてきた様子。
先週の土曜に行った時は、
「今週いっぱいかもしれません。」
とまで言われていたのに。
しかし、相変わらず不安定な状況にかわらない。
元気を出してもらいにナツオを連れてお見舞いへ。
本来は子どもは入室禁止らしいのだが、
状況が状況なだけにナツオはOK。
緊張しながら一緒に病室へ。
あいかわらず管だらけの祖父。
ベッド横の心電図モニターが生々しい。
ナツオはさすが赤ちゃん。
状況がまったくわかっていないのでキョトンとしている。
泣きださないだけでもありがたい。
眠っている祖父に大声で呼びかけるとしっかりとした反応。
そしてナツオを見せるとしっかりと目で追いかける。
安定してきたのか必死で何か話そうとしている。
酸素マスクごしなので聞きにくいのだが、
どうやら、
「ありがとう。ありがとう。」
と言っている様子。
こちらこそ「ありがとう」だよ。
ちょっとジーンときてしまったのは、
ナツオをしっかりとみつめながら必死で手を伸ばしてきたこと。
手をにぎりたいのか、足をつかみたいのか、
細く細くなった手を必死で伸ばしてくる。
ナツオの手や足をちょこんと触らせると、
仏様のような安らかな笑顔をナツオに向けてくる。
どこかの映画のワンシーンのよう。
ナツオも優秀な子役なので、
空気を壊すように泣きだしたりすることはない。
「ダッ!ダッ!」
って祖父にむかって何かを訴えかけているよう。
ここで何かBGMでも流せばお涙間違いなしのシーン。
来週も来ることを告げて今日はさよなら。
さあ、ここから奇跡に向けたドラマチックストーリーが始まるのだろうか。