繁忙期を終えてつかの間の休息中。
あと10日くらいは早く帰れそう。
そのため、久々にナツオのお迎えに行ける余裕が生まれる。
ナツオをお迎えしてもまだ明るい時間。
ちょっと探検散歩しながら帰ることに。
すると小さな神社発見。
ポツンと存在するだけの小さな小さな神社。
素通りすると、ナツオが強い力で引っ張ってくる。
「かみさまだよ!な~む~しようよう。」
「いいけど、何をお祈りするの?」
「内緒!」と満面の笑み。
これは、あれか、付き合いたてのカップルがキャッキャッするやつか。
「何お願いしたの?」
「秘密!」
ってやつか。
なんて思いながらお祈りするとナツオが真剣な顔して祈りながらつぶやいている。
「おとーさんに赤ちゃんができますように。
ぼくがおにーちゃんになりますように。」
あまりにも真剣なので、
「いやいや、おとーさんに赤ちゃんはできるけど、できないから。」
という突っ込みは控えてじっと見つめるのみ。
数十秒たってようやく目を開けたナツオ。
「神様に赤ちゃんできるようにお祈りしたから大丈夫!」
とはじけた笑顔。
これはいいお兄ちゃんになる予感。
いつか本当に赤ちゃんができたら、
弟くんか妹ちゃんにこのナツオの想いを話してあげよう。
「君はナツオ兄ちゃんが神様にお願いして連れてきてもらったんだよ。」