はじめに。
せっかくの夏休みだが長男ナツオ@小6はバリバリ受験生のために夏期講習ばかり。平日休みを取っても自主学習のために丸一日のお出かけできず。ナツオはやむを得ないがせめてレンタ@小2には夏休みの思い出をそれなりにつくってあげたい。そこでパパ友と休みを合わせて大山登山に行ってきた。
大山とは。
大山(オオヤマ)は神奈川県にある標高1,252mの大きな山。小田急線の伊勢原駅からバスで30分くらいでケーブルカーの入口に到着できるので新宿駅からざっくり1時間半~2時間ほどで行くことができる。県央地区の小学校はみんな遠足で行くのでは?という印象で周辺の人にとってはとても身近な存在。私が通っていた小学校では5年生の遠足コース。通ってきた小学校、中学校、高校全ての校歌で歌っており、私にとってもとても身近な山。紅葉の季節他夜間ライトアップも有名であり、登山以外も楽しめる。
ただし、後述するが高尾山感覚で行くと痛い目を見るのでご注意。それなりの準備と覚悟は必要です。
いざ大山へ。
朝7時にパパ友と駅で待ち合わせていざ大山へ。パーティーは4名。私、レンタとパパ友、コハル(小1女子)。山手線は7時でも混んでいたが小田急はそこまで混雑しておらず。新宿駅が始発なので座って伊勢原まで向かうことができた。
伊勢原から大山まで向かうバスは1時間に2本。一休みしたらバスに乗ってケーブル口へ。意外なことにバスの中はガラガラ。平日とは言え夏休みシーズン。外国人観光客含めそこそこ混んでいると思っていただけに肩透かしをくらった気分。
ケーブル口からは参道を15分ほど歩いてケーブル乗り場へ。お土産屋さんや大山名物の豆腐懐石のお店が多数あるものの、朝早すぎて参道はまだ開店前。ちょっと寂しい。
登山口まで運んでくれるケーブルカーはめちゃんこかっこいいデザイン。数年前にリニューアルされたケーブルカー。近未来的で個人的にはツボ。緑が映えている。
大山に来るのはおそらく15年ぶりなので、新デザインのケーブルカーに乗るのは初めて。レンタ以上に私がワクワクしてしまう。ケーブルカーに乗ってあっという間に阿夫利神社に到着。
ここでは神聖なお水をいただくことができる。ここに来るまでで既に水筒は残りわずか。神聖なお水を水筒にチャージして目指すはてっぺん。
石と岩だらけの登頂。
頂上までの目安は90分。子連れだから2時間程度かなと覚悟を決めて登頂開始。
歩き出して思い出す。大山登山って確かそこそこハードだったよな。西穂の独標登山を経験してきたこともあり、社会人になってからの大山登山はそこまで苦ではなかったが、小学校の遠足では絶望しかないくらいに大変だった記憶が。
そしてその記憶は合っていた。登山道というにはハードな石と岩の道。岩が多いので必然的に大きく踏み出さざるを得ない。背の小さいレンタにとってはさぞかし大変なことだろう。とても暑かったのでちょこちょことお水休憩や飴玉休憩をしつつ、頑張って登っていくレンタ。たくましすぎて感動しちゃう。
横を通りすぎていく登山者達はみんながっちりとした恰好。高尾山や御岳山の時はハイキングの延長のような格好の人も多くみかけたが、気合が違う。それなりの用意してきて良かった。
休憩場で出会った大学生と思われる若者たちの会話を聞いていると、「みんな早いよ。もう少しゆっくり行こうよ。」という女性陣に対して、「そんなんじゃ富士山登れないよ。富士登山の為に今日はタイムを設定して大山登山しているんだから」と男性が諌めていた。大山登山にしては重装備な印象だったので、このまま丹沢まで行くのか、荷物を詰めての登山テストなのか。どちらにせよ、圧倒されてしまった。
ちびっこの小さな歩幅とこまめな休憩を経て登り続けること3時間。ようやく頂上に到着!
絶景とおにぎりとコーヒーと。
3時間も歩いたので達成感が半端ない。相模湾が見渡せるほどの絶景。山から海が見えるとそれだけでテンションがあがるのは私だけじゃないはず。
ひととおり景色を楽しんだらお待ちかねのお昼ご飯。山といったらやっぱりおにぎり。親子でおにぎりをほおばる。最高においしい。売店で販売していた缶ビールに心奪われるが、今日は子連れ登山。万が一のことも考えてお酒はぐっと我慢。代わりにパパ友がコーヒーを入れてくれた。息子にはカップラーメン。山で食べるおにぎりは最高だけど、山で食べるラーメンだって負けていない。息子は必死で食べていた。そんな様子を見ながら飲むコーヒーも最高に格別。心の底からほっとする。
最高の休憩をしてエネルギーをチャージ。あとは下るだけ。このまま楽しくテンション高いままで下山できるはずだった…。
くさりと雨のつらい下山。
テンション高らかに下山開始。帰りは景色が楽しめる別ルートを選択。
前半は極めて順調。上りルートと違ってこちらは石段ではなく、歩きやすい階段や坂道が多めでありがたい。上りの岩山地獄が嘘のように快適でついつい足が軽くなる。同行のコハルちゃんはちょっと疲れてきたみたいでペースがゆっくり。パパ友からは「気にせず行っていてください。」と言われたので、レンタと二人でスタスタ歩いていた。
すると、突然歩幅が狭くなる。二人並んで歩くには危険な歩幅。ロープはあるものの、足を滑らせたらとんでもないことになる。慎重に慎重に歩いていくと、今度はくさりが登場。本格的なくさりではないものの、くさりに変わりはない。慎重に歩けば大人は大丈夫だが、ちびっこにはちょっとハードルが高い。半分泣きながら歩いていくレンタ。がんばれがんばれ!はしごを終えると今までの歩きやすかった道が一気に険しくなる。
獣道ではないので、ルートを外れていることはないものの不安になってしまう。下山時は他に同行者もすれ違う人もいないのでやはり不安になる。遭難はしていないけれど、どこかで道を外れた?もしかして、ケーブルカーに向かう道ではなく、直接下山するルートを歩いている?と不安になってしまう。不安になり、パパ友に電話をするもつながらず。大声で呼びかけるも反応なし。この様子に異変を感じたのか、レンタはついに泣き出してしまう。これまで泣かないように頑張っていたのだろう。
しかたないので、歩き出すとすぐに案内板に行き着く。正しいルートだったので一安心。そのタイミングでパパ友との連絡もつながる。次の休憩場で合流する約束をして再び歩き出す。
一難去ってまた一難。休憩場を目の前にしたタイミングで突然の大雨。さすが山。すぐに天気が変わる。屋根があるベンチで雨宿りをしながらパパ友を待ち、コハルちゃんと無事に再会を果たす。
大雨のピークはすぎたものの、なかなかやまない。そして刻一刻と迫るケーブルカーの最終時間。これはもう行くしかないということで、全員レインコートを装着して下山。慎重に慎重に歩きながら下りていく。幸いにもくさり等の危険な道はない。ただし道幅は狭いのでうっかり足をすべらすとちょっと怖い。まるで修行僧のように雨に打たれながら歩き続ける二組の親子。
雨の中1時間近く歩き続けてようやくケーブルカー駅に到着。タイミングよく雨も止んでくれたので気分爽快。トイレで着替えて身も心もだいぶすっきり。上りとはまた違う達成感に包まれる。
無事に帰ってこられた!
生きてるって素晴らしい!
おわりに。
前半の段差のある岩だらけの登山もつらかったが、わずかとはいえくさりあり、狭小の道あり、突然の降雨ありの困難だらけの下山はとてもとてもつらかった。
それでも、しっかりと歩いているレンタに大きな成長を感じた。こんなにもたくましくなっているなんて。きっと家族だけで行ったらすぐに甘えてきたはず。今回はレンタよりも小さな1年生の女の子がいたから、強がっていた部分もあるのだろう。
息子の逞しさや大きな成長を見ることができて私はとても満足している。達成感が半端ない。しかし、レンタの感想は思っていた通り、ただひたすらつらかっただけのようで、夕食時に「もう絶対に山には行かない。二度と登山しない。」と宣言していた。
いいんだ。山の楽しさがわかるのは大人になってから。つらかっただけとは言え、この大山登山の記憶がレンタのどこかに刻まれたのでそれで満足。また二十年後に登ろう。小学校の遠足で登った山に息子と一緒に登る。最高な幸せな登山でした。
※長男ナツオとの登山記録はこちら
大山に比べたら高尾山はハイキングでした。