あっと言う間に一周忌の時期となった。
喪主を務めたナツオなので一周忌では施主を務める。
父のせいで絶縁状態となった伯母に連絡すると、
一周忌に参加する気はなく、祖母(ナツオにとってのひいばあちゃん)は
具合があまり良くないので祖母も参加させないとのこと。
しかも、もう金輪際連絡はしなくていいとまで言われてしまう。
全面戦争や!と宣戦布告されてしまったもよう。
昨年の父の葬式が最後でそれ以後、四十九日も正月も合わせてくれなかった祖母。
ちゃんと生きていればいいんだけど。。。
そんなわけで祖母も伯母も不参加の一周忌。
つまり、父からみたら母も姉も不参加ということ。
参加したのは、私達と弟夫婦のみ。
総勢5名。
なんとも寂しい限り。
人数が少ないこともあり法要はあっという間に終了。
ナツオ含めて5人なので焼香もあっという間に終わる。
だっだぴろいお寺にたった5人。
ずいぶんとがらんとしている。
その分、気楽にできるってもの。
ナツオが多少騒いでも飽きても許される空気。
30分くらいで法要を終え、挨拶をしてお墓参りして終了。
所要時間は全部含めても1時間弱。
気楽でよい。
ナツオはお経にも耐え、見よう見まねで焼香も終え、
一生懸命に御墓に水をかけ、線香も真似している。
上顎洞癌というマニアックすぎる病気で亡くなった父。
ナツオには
「タバコを吸うと病気で死んじゃうんだよ。」
と妻がそれこそお経のように唱えていたからか、
父の墓石に向かって、
「おとーさんがたばこを吸いませんように。」
なんてお願いしている。
安心してくれ。
酒はやめないが、タバコは一度も吸っていないし、吸う予定は皆無。
父の死因が肝臓癌とかでなくてよかった。
たった5人。
しかも、弟夫婦のみだったので緊張感のない法要。
施主なのに、喪服は着ずにただのスーツ。
上着を脱げばもちろんクールビズスタイル。
法要後の会食も格式ばった席にせずに普通の中華料理屋へ。
立派なお店で会席料理を頼んでも高いだけ。
だったら好きなものを食べたい。
それでもさすがにファミレスに行くのはなんとなく父に悪いと思ったので、
父が生前好きで一緒によくいっていた中華料理屋へ。
私が実は中華料理好きだったのは父の影響だったのか。
社会人になってから父と弟と3人で上海に中華料理食べに行ったのも
今では数少ない良い思い出となっている。
そんな思い出話など出ることはなかったが、
和やかに盛り上がった法要代わりの普通の中華ランチ。
「供養」の名目にたらふく食べることができて私もナツオも幸せいっぱい。
こんな気楽な法要の方が父にはあっているのだろう。
そして来年はもう三回忌じゃないか。
来年は父のもう一つの好物であった焼肉かな。