はじめに。
長男ナツオ@小一の家庭訪問が先日あった。今どき家庭訪問があるのかと驚いたものの、ナツオの学校の様子を聞ける貴重な機会。何とか参加したい。それに私にとっても先生とお話しすることで互いに顔が見えてくる。がっつりとお付き合いする気はもともとないが弱いつながりこそが社会を円滑にしていくと信じている。
保育園生活に慣れていると家庭訪問のスケジュール決めの段階から驚いてばかり。保育園の面談では「希望日」を挙げていくやり方。一方、ナツオのクラスでは「どうしてもダメな日」を挙げていくというやり方。こんなところからも、「保育園=共働き前提」に対して「小学校=否」ということが伝わってくる。ダメ元で希望日時を挙げたところ配慮いただけたのか希望が通った。ひたすら繁忙期が続いていたものの、こうでもしないと早く帰るチャンスはない。「家庭訪問」という印籠を片手に15時には退社させてもらい先生を迎え撃つ。
私自身の思い出を振り返ると。
自分自身の家庭訪問を振り返ると、家族にとっての一大イベントだった思い出がある。サザエさんやちびまるこちゃんのような古き良き昭和の世界。家族みんなで玄関や部屋の掃除、片付けを行い、事前に座布団を天日干ししておく。高級品ではないけれども羊羹やおまんじゅうも用意。そして、母、私、弟、愛犬で先生が来るのを待つ。先生がいらっしゃったら、先生のお話をみんなで聞く。母の横で先生のお話を嬉し恥ずかしながら聞いていたもの。やばい。在りし日の母のことを思い出し、少し泣けてきた。家庭訪問という響きにはどこか哀愁が漂う。立派なイベントだった。
事前情報をまとめると。
そんな昭和の家庭訪問から令和の家庭訪問へ。そもそも同じ区内でも家庭訪問が中止になっていく小学校が多い中、いまだに実行している先生方の尽力に頭が下がる。時代なのか、東京という土地柄なのか家庭訪問の事前案内はドライ。配付されたお知らせをまとめると…。
- 各家庭での滞在時間は10分
- お茶やお菓子は不要(受け取れない)
- 玄関での立ち話が基本で家に上がることはない
各家庭への配慮及び先生の負担軽減の為とは言え10分とはあまりにも短い。しかも、スケジュール表を見ると各家庭間の移動距離はわずか5分。グーグルマップがあるとは言え、たった5分の移動距離で回れるのだろうか。タワーマンションだったらエントランスから玄関までで余裕で5分はかかる。
最初の方だったママ友に話を聞くと、玄関にも入らずに家の前で5分程度立ち話をしただけとのこと。ただの雑談レベルでなんの為の家庭訪問だったかさえわからないくらいだったらしい。家が荒れていないか、虐待の兆候がないかの目視確認の意味もあって玄関くらいは入るかと思っていたがそうでもないらしい。本当に何のための家庭訪問なのかわからなくなる。「せっかく半休取ったのに、あっさり終わって拍子抜けした」と言っていたがサザエさんと伊佐坂先生のような立話で終わってしまうならばその通りだろう。
ナツオの家庭訪問。
事前情報を集めしっかりと予習をした上で迎えたナツオの家庭訪問。学童にナツオをお迎えに行く余裕はなかったので直帰。しかし玄関先で待てども先生はいらっしゃらない。移動時間が5分しかないという設定に無理がある気がする。結局、予定時間を10分過ぎたほどのタイミングでチョーさんよろしく古き良きママチャリで先生が登場。幸い先生が少し遅れたおかげで妻も間に合った。我が家は最後の時間なので多少は余裕があるはず。玄関先での立ち話では本当に雑談で終わってしまうので玄関に椅子と座椅子を用意して先生を迎え入れた。遠慮されるかと思いきや先生も腰かける。一日に何件も移動して立ち話をしての繰り返しだったらそりゃ疲れるだろう。先生と私たち夫婦による家庭訪問のスタート。まずはナツオの学校での様子を聞く。新しい友だちもたくさんできて楽しそうな様子。よかった。先生からは、小学生になってからの家庭での様子を聞かれる。先生とは同年代なのでざっくばらんとお話することができた。仕事柄ついつい気を遣ってしまうので「各家庭の要望を聞いた上での家庭訪問のスケジュール作成大変ですね。」とか「学年通信に加えて、2クラスしかないのに学級通信まで作成していただいてありがとうございます。でもお体を崩さないでくださいね。」なんて余計なことまでつい言ってしまった。すると、「子ども達の為ですし、少しでも子ども達の様子がご両親に伝わったり、学校との信頼関係が築ければ幸いです。」なんて返してくれた。気持ちは大変ありがたいが、これがやりがい搾取ってやつにつながっていくのかと思うとちょっと複雑。ナツオだけでなく他の保育園お友だちからも慕われている先生であり、公開授業に参加して見ていると保護者等の見学者の前でもしっかりと子ども達を叱ってくれるので私も安心できる先生。このまま無理しないでいただきたい。その為には私たちもモンスター化して余計な気苦労をかけないように気をつけないと。
おわりに。
子ども不在の大人だけの家庭訪問だったので、どことなく違和感はあったものの無理してでも参加して良かった。15分程度の雑談ではあったが互いに顔を見て話せたので少しは信頼関係が築けたはず。学童にナツオを迎えに行くと開口一番「先生はなんて言っていた?僕のこと褒めていたでしょ。」と謎の自信に満ち溢れた問いかけ。そんな言葉が自然と出るくらいだから日ごろから先生は褒めて伸ばしてくれているのだろう。家庭訪問に加えて秋は学校での個人面談があるとのこと。こちらも何とか調整して参加し、また先生とお話していきたい。