大安の11月15日にナツオ@5歳の七五三を行ってきた。大きな神社となると湯島天神が近いので保育園のお友だちも何人か湯島天神で祈祷してもらっていた。我が家も一瞬だけどうしようか会議を行ったのだが、やはりここは氏神さまでしょ。ということで地元の神社へ行くことに。レンタ@9ヶ月もいることだし歩いていけるのが一番。
まずは神社を目指すが…。
11月15日は平日ということで比較的空いていた。基本的には各時間帯に一家族のようで我が家は11時からの回を事前に申し込む。昼食前でちょうど良い。
ナツオの七五三に参加したのは義母家族と我が家。私の家族は父逝去。母は施設に入居中なので呼ぶのが難しい。弟夫婦に仕事休んでもらってまで来てもらうのも悪いし。
一家そろって出かけようとするのだが生意気盛りの5歳児相手だとすんなりとはいかない。夏前に写真撮影を終えていたので衣服はブレザースタイル。
七五三は自分が主役なので優位だと理解しているのだろう。長袖を嫌がってなかなか着てくれない。寒くなってきたというのに原則半袖半ズボンスタイルを好んでいるナツオ。ネクタイやらブレザーに激しい嫌悪感。朝から妻とナツオで大げんか。「ドラえもんのTシャツじゃなきゃ絶対行かない!」とわめいていた。ネクタイに四次元ポケットはどうよと思い、どうにかこうにかなだめすかしてようやく着るナツオ。妥協条件は「祈祷と写真撮影が終わった瞬間に長袖は全部脱いで半袖半ズボンに着替える」というもの。もう勝手にしてくれと半ばあきらめる。あまりにも激しい喧嘩だったので七五三を中止することも考えたほど。ナツオに続いて私もスーツ着用。育休入ってから久々のスーツだったのだが体型は変わらずに着られてほっと一安心。妻も着物ではなくスーツスタイルで神社へ向かう。
祈祷開始。そして神主さんにつっこまれる私。
神社へ到着したのは10時45分。受付と挨拶をすませるも、まだ時間があるので写真撮影をしようとしていたら「どうぞ」とお賽銭箱の向こう側へ案内される。この時間帯は我々だけのようで到着次第さっと流される。祈祷料を奉納し、だだっぴろい祈祷所でポツンと座って待っていると先ほど受付した方が着替え、コンタクト?にしてやってきた。お若い神主さんだ。まさかのワンオペ。これが人手不足ってやつなのだろうか。受付でお守りを販売していた方がさっと着替えてやってきた。そこそこの神社だし、大安だし、この時間は誰がお守りを販売しているのだろう。受付はどうしているのだろう。邪念ばかりが頭をよぎる。
ちなみに祈祷料だが、いくら包むべきか指示待ち人間の私は当然ながらしばし迷っていた。私の地元の神社では「○○円を奉納いただきます」と受付にかかれていたし、神社によっては同様に金額が決まっているとのことだったので予約時に確認した。すると「特に決まっていませんが、お祝いなので1万円が多いですね。」と言われる。もやもやな明朗会計。天の邪鬼なので「特に決まっていないのならば5千円にするか。」なんてことも考えたが、災厄に遭った時に後々後悔したくない。結局言われるがまま1万円を奉納した。
奉納が開始されるとさすがは5歳児。おとなしくしている。ただし神棚等に興味があるようで色々と意味を聞いてくる。神鏡だったりお神酒だったり神楽鈴だったり。神事や民俗学に興味を持つことはいいことだ。こそこそ聞いてくるのでこそこそと伝える。そうこうしている間に祝詞をあげてもらいいよいよクライマックスへ。神主さんに呼ばれて一族が神棚の前へ。神主さんの指示で玉串拝礼をする。ナツオの希望により席次はナツオを両親で挟むように私、ナツオ、妻、義父母だったので神棚に出る時も当然、私、ナツオ、妻、義父母の順となる。よって私が先頭。そして神主さんに言われるがまま先頭の私が玉串を奉納しようとすると、ぼそっと声が。
「・・・か?」
なんだ、誰かの心の声が聞こえる。玉串を一旦置いて確認。レンタの夜泣きの為にあまり眠れていないから幻聴が聞こえてきたのか。気にせずに玉串を再び持つとまた声がする。
「・・・やくか?」
やっぱり声がする。神主さんの方からだ。すると神主さんが今度ははっきとした声を出してくれた。
「(お前が)主役か?」
慌てて手をひっこめる。そんな真面目な顔で言わなくてもいいのに。つまり、七五三の主役はナツオなんだから、父親の私ではなくてナツオが玉串を奉納するってことだった。そういった意味で「主役か?」と言っていたと思われる。義父母の前で顔が真っ赤になる私。ご指摘を受ければ確かにそうだが「伝え方が9割」って言うじゃないか。並ぶ時にナツオを先頭に誘導するとか、奉納の時に「それではナツオくん、これを持ってください。」とか教えてくれよ。まさかぼそっと「主役か?」ってつっこまれるなんて。表情は怒っていなかったのでもしかしたら一流の神事冗句で神事従事者は爆笑かもしれないけどさ。ただの民間人にはそんなジョークわかりませんよ。
ナツオに渡して無事に玉串を奉納したら七五三の儀式は終了。一転してにこやかになりサービス精神溢れる神主さん。「どうぞごゆっくり写真撮影してくださいね。」と言ってくれたので遠慮なく祈祷所内で写真を撮影。ただし、祈祷所内に長居するのも悪いのでさっさと出ようとすると、「もっとゆっくりしてくださいね。スマホ持っているでしょ。スマホでたくさん撮ってくださいね。私も撮りますよ。」と言ってはデジカメやらスマホを奪い取るように受け取って神主さん自ら写真撮影をしてくれた。なんだよ、このサービス精神。神事の時にも出してくれよ。つっこまれた恐怖でまだびびっている私。最後に紙袋一式のお土産をもらって退所。退所すると次の七五三の家族もやってきていた。息子さんもお母さんも着物。神社からの帰りにも着物の親子を目撃。ブレザー姿がちょっとだけ恥ずかしくなってきてしまった。早く帰って着替えたい。
神様にいただいたもの。
ご覧の通りである。
おもちゃばかりだろ。ウソみたいだろ。七五三なんだぜ。それで…。
今度はこっちがつっこみたくなる。立派な紙袋だったので中身が神具か何かとおもったらまさかのおもちゃ詰め合わせ。これが現代の七五三のスタンダードなのだろうか。写真には写っていないがもちろん千歳飴もいただいている。もうナツオは紙袋から刀が飛び出ていた時点で大興奮。半袖半ズボンになることも忘れて急いで帰宅して開封した。早く遊びたいのだろう。本当の意味での七五三のお土産は千歳飴と七五三のお守りくらい。残りは子どもが大喜びのおもちゃばかり。そして地元民は皆知っているはず。これらのおもちゃが神社近くの大きなダイソーで発売されていることを。お土産があるなんて想定していないのでありがたいはありがたい。お土産というからおかしいのか。神様からのいただきものなのでありがたく頂戴しなくてはならない。早速ナツオは神様からいただいたおもちゃの刀を振り回しズリズリ移動しているレンタ@9ヶ月を切りつける。手加減はしていても泣きだすレンタ。激怒する妻。結局大泣きするナツオ。まるでサザエさん。
七五三のご馳走。
サザエとカツオの如くバタバタしている我々をしり目にフネのように大らかな義母がナツオの為にご馳走を用意してくれた。ナツオのリクエストにより誕生日の時に大好評だった製氷皿を利用してのお寿司。製氷皿にひたすらごはんを詰めてその上に刺身を乗せて行くだけの単純なお寿司だが、たくさん並ぶと圧巻。それになによりお手軽だし楽しいし、リーズナブル。今回ももちろんプラレール登場。大将ナツオに希望を伝えれば張りきって刺身を乗せて線路を走らせてくれる。ナツオ印の回転ずしである。
そしてデザートはこれまたナツオ希望のチョコレートケーキ。みんなの味方、銀座コージーコーナー製。リーズナブルで良いね。
もちろんケーキの大きさでまた揉める妻とナツオ。どっちがサザエでどっちがカツオなのか。最後まで愉快な七五三であった。