父が喪主をつとめたので、
かなしみに包まれる暇もなく忙しい日々。
父と一緒になって
寺行ったり、葬儀の打ち合わせしたり、親戚に挨拶したり。
決めること、やること多すぎて時間の流れがとんでもない。
どこもいっぱいな為、亡くなってから通夜まで中3日だったが
それくらいあいていてちょうどよかったくらい。
そんな、みんながみんなテンパる状況の救世主がナツオ。
赤さんの力はすごい。
いるだけでどんな場面も和む。
通夜、告別式ともにフル参加のナツオ。
お経の間中も一緒に親族席へ。
泣くかなと心配していたが、
はしゃぐことはあっても泣きわめくことはなし。
お経中にキャッキャしているのはどうかと思ったが、
祖母もちらちら振り返ってナツオを見てニコニコしているし、
よく見ると列席者も微笑ましくナツオを見てくれている。
ナツオには退屈かもしれないが
連れてきてよかった。
暗く重くなる場がだいぶ和んだ。
通夜当日は線香番だったので、
ゆっくりと祖父と最後の会話。
夜中に目覚めたナツオも連れて行く。
祖父の顔に近づけると、
棺桶を激しく叩き、
木魚を見せるとこれまた叩き出す。
おかげで最後の最後まで賑やかに交流ができた。
お骨となった祖父を連れて帰り、
祖父の家に祭壇をつくるとまたまた大興奮のナツオ。
悪い顔をしながら猛烈なスピードのハイハイで近づき、
ジャングルジムのように登り出す。
注意して引き離すも、また近づいていたずら。
登れないとわかると、つかまり立ちでしれっと近づき、
遺影で遊び出す始末。
もうやりたい放題。
不謹慎なので強く叱ろうとすると
逆に祖母に注意されてしまった。
おじいさんと遊んでいるんだから邪魔しないの。
四十九日まではここにいるんだから。
そうか。
祖父もまだまだ遊び足りないのか。
納骨までにばあちゃんの様子見がてらまた遊びに行くから、
ナツオの相手をよろしく頼むよ。