七五三の前撮りの為に朝から月島までお出かけ。
平日と変わらぬ7時起きで。
いったいいつから七五三の前撮りが当たり前になったのだろう。
いつの時代も日本人は風習やら文化やらにかこつけての商魂がたくましい。
そもそも、まだナツオはまだ5歳を迎えていないじゃないか。
いや、数えだったら5歳か。
うむむむ。
などと、ぶつぶつ言いながら電車を乗り継ぎ乗り継ぎ月島へ。
それなりの収入はあるのに、お得道を極めるのに精を出し続ける妻。
ネットでお得なスタジオを発見しているうちに月島にたどり着いた。
この人ならいつかお得な情報を追い求めているうちに新大陸でも発見しちゃうんじゃないか。
↓今回撮影をお願いしたのはこちら↓
月島を降りてもんじゃストリートへ向かって行く外れにある。
かっこよく言えば隠れ家的雰囲気にあふれている一軒家風のスタジオ。
玄関開けたら受付があり、二階で着替え、三階で撮影。
東京らしく狭小住宅ではあるが、きれいに整理整頓されているので、狭さは感じるが不便さはない。
受付を済まし、まずは着物を選ぶ。
ナツオが主役であるので彼に意見を聞くと、
「白か赤の着物がいい。かっこいいから。」
との回答。
ここは大都会東京。
そんな田舎のヤンキー成人式のような着物はない。
ベーシックな黒、紺、青、紫といった着物ばかり。
色で違いが少ない分、刺繍による違いが豊富。
これまたナツオに選ばせる。
「これか。これがいい。」
と指さすと、すかさずスタッフのお姉さんが、
「ナツオくんはよくわかっているね。これも、これもかっこいいよね。」
と言いいつつ、私たちに向かって
「これらの着物はオプション料金として3,000円かかりますがどうしますか。」
とステキ笑顔で問いかけてくる。
まったくよくできている。
結局は資本主義なのね。
しかしお得道を追い求める妻が許すわけがない。
「ナツオ、それもいいけれど、これはどう?こっからここの範囲にある着物の方がナツオには似合うと思うな。」
と言って強制的にプラン内の着物に誘導する。
親も親なら子も子。
「なんであっちはダメなの?高いから?お金かかるからなんでしょ?ならしかたないな。」
すんなりと納得する。
すまん、ナツオ。
たった3,000円で生涯の傷跡を残してしまうなんて。
稼ぎが悪く、小心者の私を許しておくれ。
なんて、思ったものの、正直、素人目には3,000円の違いがわからないので、ここは妻に従う。
明らかに差があれば身銭をきってナツオの味方をしようと思ったが、どっちがどっちかわからないくらいにクオリティが高いので文句はない。
浮いた3,000円で美味しいもんじゃ焼きを食べたい。
そして始まった写真撮影タイム。
カメラマンとスタッフの2人で巧みに機嫌をとって撮影を進めていく。
ただし、スタジオアリスや六本木ヒルズ内のスタジオ等、何度か子ども用の撮影スタジオに行った経験から言うと、大差はなかった。
どこもプロ!と思わせるようなテクニックなので改めての感動はなし。
当然、ここのスタジオもとても感じよく、気持ちよく写真撮影を進めてくれる。
妻が希望していたレンタ3ヶ月との写真撮影もタイミングを上手にとってしっかりと撮ってくれた。
こちらのスタジオで嬉しかったのは、その場で撮影データをくれること。
お会計をしている間に撮影したデータを記録して渡してくれる。
撮ったその場で受け取れるのは嬉しい。
忘れた頃に送られてくるのももちろん嬉しいが、興奮冷めやらないうちにもらえるのはもっと嬉しい。
帰宅してすぐに楽しめる。
スタジオミチュール@月島のよかったところとしては、
1.その場でデータがもらえる。
2.隠れ家的狭小さとフロア構成をうまく利用しており、基本的には他の家族とバッティングしない。
これが意外と良かった。受付でも着替えるところでも我が家だけしかいないので気楽。ナツオや赤ちゃんがぐずついたり、ふざけたりしても安心できる。結婚式場では花嫁同士の導線はバラバラにしているが、その大切さがわかった気がする。確かにこの日くらいはナツオに集中してやりたい。
3.撮影中の個人撮影が自由。
撮影中も個人のカメラやスマホでの撮影はかまわなかったので、バシバシ写真撮影ができた。これも地味に嬉しい要素。目線が動くので声かけはNGだったが、それ意外は邪魔にならなければOK。
カメラマン含めて2人しかいなかったスタッフの対応がとても優しく、気持ちよく楽しむことができた。
それになにより、月島ってのがお出かけ気分を満たしてくれて良い。
すぐ裏には隅田川があり、水上スキーや水上バスが通っていくのは眺めているだけでもゆったりとした気分に浸れて気持ちがよい。
9時→10時半の撮影を終えて隅田川を眺め、お昼は待望の月島もんじゃ。
もんじゃストリートを歩きながらお目当てのお店へ。
ストリートを歩いているだけで格差社会を感じる。
もんじゃストリートの名に負けないほど多くのお店があるのだが、ほとんどがガラガラ。
たまたまなのかもしれないが、休日のお昼でもガラガラで、ほとんどのお店が入口を開放して「すぐ入れますよ~。」とアピールしながら店員さんが道行く人に声をかけていた。
繁盛店とそうでないお店のこの格差。
パレートの法則なのだろうか。
2割の店が利潤を出し、8割の店は賑わい提供していた。
口コミ社会に踊らされている我々が行ったのは、
「海鮮もんじゃ もへじ」
評判が高かったことと、オープンが11時と早かったのでタイミングが良さそうであった。
入店した瞬間に、「ご予約はありますか?」と尋ねられびびる私。
11時5分に入店して?
まじか。
ただし、予約してなくても入店はできた。
90分の時間制限を告げられるがそれだけあれば十分。
今回注文したのは、
・通常のもんじゃ 680円くらい
・自慢の海鮮もんじゃ 1,580円くらい
・焼きそば 1,100円くらい
とりあえずは、もんじゃの価格に驚く。
まじか!もんじゃが余裕で1,000円越えだと!
もんじゃなのに?
しかし、やはり市場経済ってのはよくできている。
通常もんじゃも十分おいしいのだが、海鮮もんじゃは段違いに美味しかった。
もちろん、具材の差はあるが、出汁が違うのだろう。
根本的に味の深みが違う。
もんじゃなのに味の深みとは。
ちなみに焼きそばは美味しかったですが、感動するほどではなかったです。
食べている間にもどんどんお客さんが入ってきて、あっという間に満席。
そして店前には行列が。
これだけ忙しいお店ではあるが、とても親切で居心地がすこぶるよかった。
子どもが鉄板でやけどしにくくなるように、おしぼりで壁を作ってくれ、もんじゃも焼きそばも全部目の前で調理してくれる。
順番も考えて一品ずつ、普通もんじゃ→海鮮もんじゃ→焼きそば、と。
もんじゃの順番が逆だと味の落差にがっかりしてしまいがちなので、この構成はさすがでした。
目の前で手際よく調理してくれるのはとても楽しい。
へらを使って具を切り、かき混ぜ、広げていく。
音と香りも合わさって、一種のショー。
ナツオは初めて見る光景にとても喜んでいた。
大人の私だって見入ってしまう。
とても気さくな方だったので、調理しながらも色々と話しかけてくれた。
これは再訪したくなるお店。
前日に飲みすぎてしまったのでお酒は控えたのだが、これは絶対ビール飲みながら食べなくてはいけないお店。
思い出しただけでよだれが出てくる。
写真撮影は妻が好きなので、私も息子もいやいやお付き合いしているのだが、このような楽しみがあるのならば、私も息子も作り笑いせずに楽しそうな笑顔の写真が残せそうである。