毎回ドキッとしてしまう一言。
「優しくしてね。」
いったいどこで覚えてきたのだろう。
ストライダー特訓用にヘルメットをかぶせ、
あごひもをカチッとはめようとすると、
「優しくしてね。」
お風呂に入ろうとしないナツオを強引に脱がせようと
バンザイさせて洋服を引っ張っると、
「優しくしてね。」
困ったことに本人はいたって真顔。
大人の反応を楽しもうとしたにやけ顔ではない。
ちょっとうつむきながら、
上目遣いに「優しくしてね」なんて言われたら
誰だってどきゅんとするに違いない。
ここまでの完成度。
確実に誰かに仕込まれている。
確かに、「まずは愛嬌」をモットーに、
かわいがられ方を教えてきたつもりだが、
こんな上級テクニックはまだ教えていない。
となると、保育園ということになるわけで…。
いらぬ考えが頭をよぎりそうで、
明日から保育士さんの目をまともに見られなくなりそう。