明日は保育園の運動会。
日ごろの保護者へのうさばらしなのか、我が保育園では運動会において保護者への辱め企画が各学年に用意される。
実際は、辱め企画ではなくただの「親子企画」なのだが、はたから見ているとただただ親達を踊らさせて羞恥心を味わせているだけとしか思えない。
洗礼を浴びたのはゼロ歳で迎えた初めての運動会。
まだ一歳にも満たない乳児達が運動会で何をするのかと思いきや、さすがは保育園。
準備が万端すぎる。
会場に行くと子ども用のお猿さんの洋服を渡され、親にはお猿さんの尻尾。
そして始まったゼロ歳児のプログラム。
赤ちゃんの名前が呼ばれ、親が抱っこして校庭の真ん中へ。
そして、子どもの名前を呼びながらお尻ふりふりダンスをさせらた。
時は入園間もなくの5月。
これからの保育園生活が憂鬱になる出来ごとであった。
まじか!この保育園でこれからやっていけるかなと。
新入りを宴の真ん中で踊らさせて先輩方、先生方が「ガハハ」と大笑い。
どこの体育会系の新歓だよ。
思い出しただけで赤面してくる。
そんな保護者辱め企画は毎年、各クラスごとの「親子企画」という名目で開催されていた。
さて、今年はどうなることやらと思ったら水曜日にお知らせのプリントをもらう。
ナツオの学年の企画は「親子障害物競走」。
子ども達が跳び箱跳んだり、平均台を歩いたりと障害物を乗り越え、最後は親子でおんぶしてゴールまで走るというものらしい。
しかし、そこは我が保育園。
ただの障害物競走ではなかった。
というよりも、わけがわからん。
お知らせプリントによると、
子ども→スタートしてから障害物を乗り越えて親のもとへ。
おとな→子どもが障害物を乗り越えている間におんぶゾーンへ。
そして子どもが来るまで「Y字バランス」「フラフープ」「V字腹筋」のいずれかをしながら待つ。
そして、子どもが合流したらおんぶしてゴールへ。
ゴール後は各自自由に踊って退場門へ向かう。
思わずプリントにつっこむ。
「Y字バランス」「フラフープ」「V字腹筋」しながら待つ意味は?
どんな踊りすればいいんだよ!というか踊りながら退場って?
ただただ聴衆の面前で親に恥かかせたいだけじゃないのか。
義母や義父もはりきって応援に来ると言うのに。
親子競技といいつつ、親子と言えるのは最後のおんぶだけ。
あとは、子どもが頑張っている横で、足を上げる人、腰を振り続ける人、プルプルと腹筋している人がオブジェのようにあるだけ。
これはもはや前衛芸術か現代アート。
なんてシュールなんだろう。
妻がお迎えに行った際になぜか「ナツオくんのところはフラフープお願いできませんか。」と先生に頼まれる。
なるほど。
おっさんが腰を振り振りしている滑稽な図を期待しているのか。
上等だ。
こちとら松坂世代。
負けん気の強さには定評がある。
ノーコンテニューでクリアしてやる。
フラフープ、やってやるよ。やったことないけれど。
そんなわけで昨日の仕事帰りにドンキでフラフープを購入。
残業後の疲れた体に鞭打って腰を振り続ける。
しかし、30年ぶりくらいのフラフープ。
まったく回らない。
だが、時は21世紀。
我々には集合知の傑作がある。
「オッケーグーグル!フラフープのコツを教えて」
出てくる出てくる。
ユーチューブで動きを確認しつつ、テキストで理論を学ぶ。
なるほど、腰は回さずに前後に動かすのみか。
ちくしょう、ためになるぜ。
そして気が付けばあっという間に0時。
汗だくまではいかないが汗ばむ。
とりあえずコツはつかんだ。
あとはひたすら復習あるのみ。
そんなわけで今朝も目覚めた朝5時からフラフープを回し続ける。
今朝の目覚めの良さは昨夜のフラフープ運動のおかげかもしれない。
本番まであと約30時間。
時間は限られている。
明日はバレリーナのごとき美しき舞をお見せしてやる。
さあ、出勤前にもうひと回しだ。
おっと、退場用の踊りも考えないと。
今夜は忙しくなりそうだ。
結局は先生がたの手のひらで踊らされています。