人生初キャンプだったので他のキャンプ場のことはわからないが、キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原へ行ったらあまりにも至れり尽くせりで驚いてしまった。
こどもにきゃんぷ!キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原(北関東/栃木県)| 初心者にも安心のコテージ!
これがキャンプってやつなのか。
これがリア充の世界なのだろうか。
参加者6家族15名のうち1名以外はキャンプ初心者だったので、みんなただただ圧倒されてしまった。
私の「死ぬまでにやりたい100のこと」リストの一つであった、親子キャンプ。
友人達のおかげで早速叶えられることができた。
場所は那須高原。
車がないので私と息子は電車とバス移動。
それでも、
9:22 上野発の新幹線(はやぶさに乗れて息子は大興奮)
↓
10:26 那須塩原到着
11:05 在来線発
↓
11:10 黒磯着
11:55 東野バス発
↓
12:05 キャンプ場最寄りのバス停着
↓
そこから友人にピックアップしてもらって15分弱。
と、お昼過ぎには到着してしまう近さ。
こうしてみると在来線とバスの待ち時間を差し引けば、実移動時間は2時間もない。
遠いようでとても近かった。
友人が予約開始時刻に合わせて準備し、予約してくれたキャンプ・アンド・キャビンズ那須高原。
何が凄いかは正直ピンとこなかったが、到着して、実際に宿泊して驚いた。
子どもに、家族に優しすぎる。
まず、大浴場がある。もうこれだけで落ち着く。やはりお湯につかれるかどうかでだいぶ違う。
受付をかねたショップには一通りのキャンプグッズが販売やレンタルされているので、もしもの時も何とかなる。
そして一番驚いたのが、炊事場を兼ねたテラスには電気が通っていた!
IHコンロがセットされていた。
キャンプ場でIHコンロ!
矛と盾のような組み合わせ。
まさかキャンプ場でIHクッキングするなんて。
電気が通っていることは事前にわかっていたので、炊飯器やティファール、IH用の鍋はみんなで持参していた。
その為、バーベキュー準備しながら炊飯器でご飯を炊き、IH鍋でカレーを作る。
朝の目覚めのコーヒーはティファールで沸かす。
ザ・日常。
非日常の中に日常が見事に融和されている。
これぞダイバーシティー社会の理想形だろう。
「それじゃキャンプの醍醐味が!」
「不便さあってのキャンプだろう!」
「大自然の中で文明の利器に頼るなんて!」
はいはい、みなさんごもっとも。
ご指摘はごもっとも。
しかし、こちとらキャンプ初心者である。
しなくてもいい苦労ならばしないにこしたことはない。
苦労してこそ得るものはたくさんあるが、自然の中にいるだけで十分得るものはある。
苦労の先はまた今度得ればいい。
電気が届いており、各キャビン内にも電源があるので延長コードがあればみんな充電OK。スマホの電池残量も気にしなくても済む。
しかも敷地内はフリーWi-Fi。
キャンプ場内を飛び回るのは蚊や蛾だけかと思っていたが、昨今では当たり前のようにWi-Fiが飛んでいるのね。
驚いてしまった。
思っていたよりも虫が少ないと感じたけれど、まだ寒いからではくてWi-Fiのせいだったのだろうか。
Wi-Fiが蚊に及ぼす影響については一考の価値がありそうだ。
電源&電波のおかげで、キャンプ風景をその場でインスタやらフェイスブックですぐにあげられる。
「みんなでキャンプしてます、イェーイ!」
「焼きマシュマロデビューの我が子!」
昨今のリア充ってやつらはそんな投稿に夢中になっているんだろう。
松坂世代の我々はもう若くはないので、そんなこともせずに目の前の我が子を写真に収めることに精いっぱいであった。
今回宿泊したのは、「KATARAI」というキャビン。
ベッド付のキャビンがあり、テントスペースもあり、暖炉あり、バーカウンターあり、ブランコあり、と大人も子どもも楽しめる。
もうなんでもある。
とりあえずここにいるだけで子どもは飽きない。
ブランコで遊んだり、キャビン内で遊んだり、夜は暖炉の火を眺めたりと。
手持ち花火はOKなので、本当に夜まで遊びっぱなし。
キャンプ場内には水遊び用の池もあるし、立派な遊具もたくさん。
ナツオはひたすら走りまわっていた。
トイレはキャンプ場の入口のみなので、いちいちトイレまで数分歩かなくてはならないが、しかも夜は真っ暗の為懐中電灯必須で、それ以外は本当にいたれりつくせりのキャンプ場であった。
校庭は土ではなく、ゴムマットが当たり前という東京で育っているナツオには全てが新鮮で、街灯がなくただただまっ暗な闇の世界にさえ驚いていた。
初心者には本当に安心安全でただただ感動するだけのキャンプ場。
まさに日常と非日常の境目の絶妙なバランス。
というか、まさにあそこは日常と非日常の境目だったんじゃないだろうか。
はっ!
日常と非日常、つまり、ハレとケ。
駅から乗ったバスは東野バス。
東野バスという名前を見て感じていた違和感はこれだったのか。
日常と非日常
↓
ハレとケ
↓
柳田國男
↓
遠野物語
↓
東野バスも読み方は「とーの」
つまり、あそここそが実は遠野だったのではないだろうか。
当初の違和感通り、あそこはハレとケの境目であり、あのバスはパラレルワールドへといざなう銀河鉄道であったのか。
なんていつものように馬鹿なことを考えてしまう自分にうんざりしているので、もう一泊して浄化されたかった。