ナツオそっちのけですっかりと仮面ライダーに夢中になってきてしまっている。
マーケティング戦略に見事にはまってしまったようだ。
そんな私だから映画 仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦を見に行きたくなるのは必然である。
当然ながら妻は乗り気ではないし、興味すらない。
赤ちゃんの面倒で忙しく心に余裕もない。
「行きたきゃ行けば?自分のおこづかいなならば勝手にどうぞ。」
というスタンス。
4月からは繁忙期となり労使協定ギリギリまでの残業と休日出勤が待っている。
そこで妻を目の前にしながらナツオに向かって、
「お父さん4月から忙しくなっちゃうんだよな。帰りも遅いし土曜日もお仕事になっちゃいそうだよ。だからナツオがしっかりとお母さんと赤ちゃん守るんだよ。そうだ!ナツオが鬼やしょっかー達からみんなを守れるように仮面ライダーの映画見に行くか?強くなる方法をお勉強しないとね。」
イクオのキメワザ、三文芝居。
こんなこと言われたら4歳児は行きたくなって当然だろう。
もうすっかりその気なナツオ。
妻への追い討ちとして、
「ナツオに苦労かけての残業だから残業代はぱーっとナツオの為に使うか。」
と聞こえる声で大きくつぶやく。
「勝手にすれば?」と妻も大声でつぶやいて交渉成立となった。
仕事帰りにわざわざチケット求めに有楽町まで出かけて前売り券&おもちゃゲット。
帰宅早々ナツオに見せつけるとチケットとおもちゃに大興奮。
この笑顔が見たかったんだよ。
2人でバカみたいに映画の予告を連日無限リピートし続けて気分を高め、先日ようやく鑑賞してきた。
初めての映画超スーパーヒーロー大戦シリーズ。
率直な感想は、とにかく忙しい。
仮面ライダーシリーズと戦隊シリーズものが総出演し闘うというもの。
キューレンジャーやジュウオウジャー、仮面ライダーエグゼイドはもちろん、仮面ライダーストロンガーや仮面ライダーアマゾン、ニンニンジャー、ゴレンジャー、仮面ライダー電王等々いれかわり立ち替わり出てとにかく忙しい。
帰宅してから妻に「どんなストーリーなの?」と聞かれてハッとした。
ストーリー?
ストーリーが説明できない。
いや、そもそもストーリーが存在したのか?
パックマン対仮面ライダーエグゼイドの映画を見たときはストーリーがあり、それなりに楽しめた。
テレビともつながっていて伏線回収もしっかりとしていた。
それが今回はどうだろう。
ストーリーうんぬんよりかはお祭り騒ぎ。
この感覚は何かに似ている。
!
必殺技のオンパレードはホームラン競争を見ているようだし、豪腕投手はとにかくストレート勝負、技巧派は超スローカーブや消えるようなフォークを投げ、足の速い者はとにかく盗塁を狙い、強肩野手はランナー無視してとにかくレーザービーム。
とにかくやりきること、出しきることが一番大事。
勝ち負け関係なく一挙手一投足に大盛り上がり。
これと全く同じ感覚。
球宴ならぬ闘宴といったところか。
ストーリーがないからつまらないのか?
AmazonTVで充分じゃないのか?
私の答えはNO。
親子ペア前売り券、2,100円の価値はある。
ペナントレースにはペナントレースの、オールスターにはオールスターのおもしろさがある。
また、新聞読んでもテレビ見ても何かにつけて深読みしてしまう毎日。
たまには、なーんも頭使わないでただただ笑っている時間も必要。
無駄に爆音で無駄にCG凄くてハチャメチャな世界に身をゆだねるのも楽しい。
頭使わなすぎてスッキリしてくる。
だって、本当にストーリーがないんだもん。
ひたすら爆発してるし、ひたすら必殺技を繰り出してる。
大人はもう笑っちゃうしかない。
阿波踊りを見学しているときのトランス感みたい。
これはちょっと癖になりそう。
このデトックス体験を求めるためだけに次回作品も見に行ってしまいそうだな。