地元の友人が2人目の出産祝いをしてくれるということで久々に集まった。
30歳も半ばを過ぎればただ会う口実、飲む口実が欲しいだけ。
乾杯をして一通り盛り上がった後に地元の近況で更に盛り上がっていると、唐突に「最近さっちんと連絡取ってる?」と言われる。
これはさっちんに何かあったことを言いたいのだなとさっちしてノーと答えると、とんでもないことになっていた。
というか、こんなこと本当にあるんだな。
さっちんと私は同じ町内で幼稚園から一緒。
そんなわけなので当然親同士も仲が良い。
あいにく私が地元を離れ、さらに母が倒れてからは音信不通になったものの、気軽に連絡を取れる仲ではある。
そんなさっちんだが、いつの間にか駆け落ちをし、いつの間にか子どもを産んでいたと聞いてびっくりしてしまった。
浮気や不倫ならばよくある話だが、ダンナと子どもを置いての駆け落ちってありそうでなかなかない。
結婚が早かったこともあり、小学校三年生の娘がいる彼女。
入学のタイミングでおばさんの敷地内に家を建てたばかりのはず。
ただただ唖然とするしかなかった。
誰と?
ダンナさんは?
娘さんは?
おばさんは?
もう質問しかない。
そして地元って怖い。
情報はすでに共有されている。
高校時代に付き合っていた元カレと偶然出会い、焼けぼっくいに火がついてしまったらしい。
確か高校の時の彼氏って40歳過ぎていたはず。
ってことは、今60歳過ぎってこと?
不倫はともかく駆け落ちの上で出産って…。
陳腐な言葉で言えば「妻である前に、母である前に、さちこ(仮名)はオンナであった。」ってやつだろうか。
それって昼ドラとかレディコミの世界の話じゃなかったの?
そして2人は北の方の山奥にいるらしい。
事件の犯人と駆け落ちは北を目指すと江戸時代から聞くが、日本人の本能なのかDNAに埋め込まれているのだろうか。
とりあえずおばさんがめちゃめちゃ疲弊しているらしい。
彼女に変わって学童にお迎えにいったり、晩御飯つくったり。
敷地内の家だからダンナさんとも必然的に朝晩と顔合わせるらしいし。
全方位的に申し訳ない気持ち。
本当になんだこれ?な世界。
不幸しか生まれてない。
ダンナさんと娘の辛さは想像できないし、おばさんは倒れそうだし。
産まれてきた子どもも父親が60歳過ぎだから何かと苦労する可能性が高いだろうし、こんな状況だから親族の協力も得られにくいだろうし。
もうなんだかなぁ、なんだかなぁしか出てこない。
南無阿弥陀仏や南無妙法蓮華経のように「なんだかなぁなんだかなぁ」と唱えれば世界が幸福であふれてくれないかな。
そのためだったら何陀可南阿教の開祖にだってなってやる。
帰宅中にもしも私だったらどうする?と深く考えてしまった。
マスオな生活だからその後の状況は似ているかもしれない。
ナツオになんて話せばいいんだろう。
子どもがいても男女の前には抑止力にならないのか。
父親を見てきたのでそんなものかなと思ってきたが、実際に父親になったらそんなものでもないと思ってきたのに。
もしも私の妻が駆け落ちをし、私が残されたらどうするか?
ただ一つ明確なことは、この状況をネタにしてこれでもか!ってなくらいに詳細にブログに書くだろうな。
いつか昼ドラの脚本家の目にとまる日を夢見て。
逃げられるは恥だが役に立つ、はず。
「妻が駆け落ちして、気がついたら息子に妹ができていたマスオさんの話」
というブログが巷で話題になっていたら私だと思っていただいて結構です。