出生時の体重が2,180グラムとやや小さめだったのでGCUに入っていたレンタ。
厳戒態勢の為にナツオは中に入られず。
GCUに入室できるのは両親と付き添いの祖父母のみ。
スマホは持ち込み不可で、その場でアルコール消毒すればデジカメはOK。
なのでデジカメでナツオの為にたくさん写真撮影。
帰宅して見せると写真や動画にたくさん話しかけていたナツオ。
「レンタくん、おーい、おーい」とか言っている。
実際に対面したらどんな感じになるのかとても楽しみであった。
すると、夕方の健診で体重は小さめだがそれ以外は問題なしとのことで一般病棟に移ることに。
余談だが、ここの病院では方針により基本的には赤ちゃんは母親のベッド横に常駐となる。
ドラマ等で見るような「赤ちゃん」の部屋なるものはなく、2日目からは横のベッド。
ナツオを産んだ時には夜泣き等もあるのでまったく眠られなかったとぼやいていたものだ。
そりゃそうだろう。
当時は初めての赤ちゃんなわけだし。
しかも大部屋だから誰かしらは常に泣いている。
これぞ究極のお互い様精神。
さて、めでたく大部屋に移ったレンタ。
一般の人も会える環境が整ったが、大部屋に入れるのは配偶者のみ。
そこかしこに赤ちゃんがいるから色々とリスクもあるだろう。
それ以外の人はエレベーターホールでのみ面会が許される。
それでもいいかと確認するとレンタに会えるならばどこでもいい!という強い言葉。
あと数日でいやでも毎日会うから私はあまり気乗りしなかったが(だって家から徒歩20分くらいかけて坂を上らなきゃいけないから)、ナツオがそういうならいくっきゃない。
いざ感動のご対面へ。
病院に到着し、待つこと数分。
妻がガラガラとワゴンに乗せてレンタを連れてきた!
目がキラキラするナツオ。
おそるおそるレンタに触れ出す。
ほっぺをさわり、お手てを握る。
「赤ちゃんあったかい!宇宙から来たからあったかいんだね!」
どうして宇宙から来た設定になっているのかは知らないが、ナツオの理論では宇宙から妻のお腹へおりてきたらしい。
はっ!
今気づいたが、もしや胎内記憶だったんじゃ?
流さないでつっこむべきだった。
人類の謎を解くヒントがあったかもしれないのに…。
レンタはまだまだ首がすわっていないので抱っこはできないが、飽きることなく赤ちゃんにふれている。
そして、レンタの耳元で何かささやいている。
何を言っているのか気になって、ようく耳を澄ましてみると、
「レンタくん、おにいちゃんだよ。早くおうちに帰ってきてね。おもちゃ用意して待っているからね。いっぱい、いーっぱい遊ぼうね。」
だってさ。
なんだよ!マイクつけてくれよ!
絶好の動画撮影シーンじゃないか!
これはレンタの結婚式で流すべきシーンだろ!
30分近くもレンタに触れたり話しかけたりで興味津々のナツオ。
もうこちらの手が限界。
それにここは所詮はタイル床のただのエレベーターホール。
寒くてしかたない。
名残惜しそうなナツオを説得してバイバイすることに。
なにはともあれナツオとレンタの顔合わせは大成功であった。
動画に残せなかったのでここに文字として残しておきます。