歴史は繰り返す、と言うか、
血は争えぬ、と言うか。
だんだんと言うことがいっちょ前になり、
わがまま放題、やりたい放題のナツオ。
もはやただの甘ったれっこ。
ひとりっこだからなのか、
しつけが甘すぎたのか。
特に妻に対しての扱いがひどい。
不機嫌だとすべてが妻にあたる。
今日も朝からもめている。
朝ご飯を出す順番でぶち切れ出すナツオ。
私→ナツオというのが気に入らなかったらしい。
「なっちゃんが先だよ。
おかーさん、なんでおとうさんのを先に出すの!
ダメだよ!
もういらない!
もう食べない!」
と、ぶち切れる。
どんなになだめても落ち着かず、
しまいには、保育園ノートをゴミ箱に投げ入れ、
さらに朝ご飯をゴミ箱に捨てようとしだす。
しかたなく取り上げると、
寝室へ向かいひとりでふて寝。
「もう保育園には行かない!
ご飯もたべない!」
この光景、懐かしい。
叱るよりも先に懐かしさが蘇る。
もう30年以上も前に見た光景。
ナツオの行動が幼い頃の私とそっくり。
私もよく弟と喧嘩をし、ご飯の順番ごときでひとりぶち切れていた。
今朝のナツオと同じようにハンガーストライキをよくやったもんだ。
ナツオの行動にジーンとしてしまい、
思わず抱きしめてしまった。
「わかる、わかるよ、ナツオ。
おとーさんも小さい頃まったく同じだったよ。
くやしいよね!許せないよね。」
そう言って強く抱きしめるとナツオもようやく落ち着いてくれた。
良くも悪くも血のつながりを実感した出来事。
しかし、落ち着いたナツオも妻への怒りは収まらない。
一緒にご飯を食べようとすると、
「おかーさんは食べちゃ駄目。
あっち向いていて。」
と、壁を指す。
しかたなく、壁を向き落ち着くまで黙っていようとすると、
「おかーさんはひたすら壁見ていて。
スマホいじっちゃ駄目!」
と言われ、ただひたすら壁を見つめさせられてる。
拷問か?はたまた悟りを開くための修行か?
かわいそうに。