病院から電話。
「家族に会いたい。
会いに行く!」
と言ってベッドから出ようとしているとのこと。
いよいよか!
と思ったもののそうではないらしい。
これからだと面会時間内には間に合いそうもないので、
明日行くことにする。
しかし、父から「家族に会いたい」という言葉が出てきたことに考えさせられてしまう。
私が10歳の時には既に別居していた父。
ということは、父は今の私の年齢の時には子ども2人を置いて別のところへ。
3歳児と小学生では可愛さが違うとは思うが、
それでも子どもを置いていくとは。
今にいたるまで離婚はしておらず、
別居中も月に数回はみんなで食事したし、
家族旅行も大学生まで毎年3回は行っていた。
なんとも不思議な家族。
寂しさを感じた記憶はないが、
授業参観での同級生の父親エピソードの時にせつなくなったのは覚えている。
「宿題見てくれたり、キャッチボールしたりはないけれど、
毎月一回はみんなで焼肉行っているもんね。
みんなそれぞれ違うんだよな、うん」
なんて自分に言い聞かせていたところを
鮮明に覚えている。
家にいないくせに進学に口出したり、
そのくせ学費は出してくれなかったり、
と徐々にうんざりして疎遠に。
倒れた母への接し方や
ナツオに対する愛情を見て少しは優しくなれたが、
たまに見せる傍若無人な態度にぶつかることもしばしば。
そんな父も今は病院で1ヶ月もひとりぼっち。
見舞いは私と弟だけ。
しかも、行ってもなんだかんだで口論して終了。
結局、父にとって家族ってなんだったのだろう。
それでも家族に会いたいものなんだろうか。
最期くらいは感謝で終わらせたい。
明日は口論しないように気をつけよう。