2歳のナツオは大きく、34歳のイクオは小さかった。
妻のいない時に義母に誘われて梨を食らう。
よく冷えて甘い梨。
ナツオと分け合うのも惜しいくらいの美味しさ。
2人で楽しく美味しく食べていると突然の妻の足音。
これを分け与えるには惜しい。
そこで、ナツオをそそのかすことに、
私 かあちゃん来ちゃうから急いで2人で食べちゃおう。
かあちゃんにはシー!だよ。
すると、突然大声を出すナツオ
ナツオ かあたん、かあたん。来て。梨あるよ。おいしおいしだよ。
やっぱり母ちゃんっ子か、チッ。
なんて毒づいているとやってきた妻に向かって衝撃的な言葉が。
ナツオ かあたんはこっち座って。
かあたんと、とうたんと、なっちゃんではんぶんこ。
みんなでおいしおいししよ。
そう言って梨を差し出すナツオ。
ガツンとやられた。
2歳児がみんなで分け合おうと言っているのに、
自分は妻に内緒で食べきろうとしていた。
なんと浅はかなことよ。
我が身を恥じるとはこの事。
懺悔、この言葉の意味がようやくわかった瞬間。
母さん、貴女の孫は僕の存在なんかちっぽけに感じるくらいに
大きく育っていますよ。