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月→土勤務の外資系風バリキャリ妻と元気いっぱいの2人の息子たち。2012年度、2017年度と2回育休を取得。育児ブログです。

法人税法能力検定試験というとってもマニアックな資格。

 

はじめに。

育休中に時間があったので法人税法能力検定試験1級という資格試験を受験した。結果はどうにか合格(合格点数70点以上に対して74点なのでぎりぎり)。この法人税法能力検定試験という資格。あまりにもマニアックすぎるのか受験に関する情報がほとんどない。今回は育児ネタではないものの、せっかく受験をしたことだし、いつかどこかで誰かの参考になればと思っての記事である。数年前に消費税法1級も取得しており、感覚的には同様の勉強法でいけたので法人税法に限らず、消費税法、所得税法も同様だと思われる。

受験動機。

育休中ということで時間がそこそこあり、勉強がてら手頃な資格がないかと思っていた中で見つけた資格。「法人税法能力検定試験」、しかも「1級」という響きの割にはびっくりするくらいに合格率が高いので費用対効果は高いと判断。受験費用も2,700円と格安だったので実にお手頃。何事も戦略が大切。

仕事柄、管理会計だけでなく税務会計の知識が必要なので法人税に関する知識もあるに越したことはなかった。管理会計だけに固執しすぎるとキャッシュフローがあやふやになってしまうし、法人税の知識が多少でもあれば税金対策も少しはできてくる。数年前に消費税法1級の資格を取得したがその時は消費税率が8%にあがったタイミング。税率アップによる影響を試算するうえで消費税の知識が必要だと思い取得した。

 

試験概要(法人税法能力検定試験1級)。

受験回数 2回/年(2月・10月)

受験費用 2,700円

合格率  70%前後

合格点  70点以上

 

公益社団法人全国経理教育協会主催の法人税の知識や計算能力を問う試験。合格すれば税務署への書類作成などの税務処理ができる知識や実務での応用的税務処理ができる能力があると認められるらしい。

特筆すべきは合格率。1級という響きなのに7割の高合格率。上司や人事部に合格の旨を伝えると賞賛されるがそれはこの合格率を知らないから。こんなにもコスパが高い資格はなかなかないのでは。

多くの人に勘違いされるが税理士試験とは全くの別物。どちらかというと税理士試験の入り口にやっと立てるといったところだろうか。

 

全国経理教育協会/法人税法能力検定

 

実用性。

個人的にはあって損はないと思える資格。資格があるからどうこうはないものの、法人税について体系的に短期間に学べる良い機会となる。公式テキストは根拠法律を明記した上で解説しているので受験後も机に一冊あると辞書代わりに何かと役立つ。税理士試験の科目合格のように強くアピールできる資格ではないがひっそりとアピールできる月見草のような資格。

 

私の勉強方法。

  • 勉強期間 3ヶ月(1日1時間前後)
  • 使用教材 公式テキスト、公式過去問題集
  • 前提条件 簿記2級取得、管理会計の知識あり(決算短信の比較等)

 

公式テキストを流し読みしたらひたすら公式過去問題集を解くだけ。消費税法1級の試験勉強が同様だったので前例踏襲。公式テキストと公式過去問題集以外は一切使用せず。この2冊で十分。というか公式過去問題集だけでも十分だと思う。

公式テキストを流し読みしてからはひたすら公式過去問題集を何周も解く。過去問題集の解説がわかりにくいのでその時の参考書として再び公式テキストに戻るといったやり方。この試験は同じ様な内容が数年置きに出題されるのでひたすら過去問をやってパターンを覚えてしまえば楽勝。語句の記述問題はまったく同じ文言が出題されるし、計算問題は数値が変わっているだけ。ほぼほぼ暗記問題と化している。

過去問を解いているとあまりの難しさに唖然し挫折しそうになってしまう。こんなに難しいのになぜにこんなにも合格率が高いのかと釈然としない気持ちになってくる。しかし配点を知って納得する。法人税額を算出する計算問題が主ではあるものの、そのほとんどが部分点で加点される。簿記の試験のように前半で間違えたらなし崩し的に終わってしまうということはない。
確かに前半で間違えると最後の金額は合わないものの、ほとんどが項目ごと(減価償却だったり交際費だったり寄付金だったり)に配点、しかもそれぞれの計算問題の一部(途中項目)に配点されているので全問正解を狙う必要がない。計算の答えに配点がされずにその途中項目に配点されていることも多いので計算間違いしていても加点される。これこそセーフティーネット。これからはAIの時代。計算なんぞコンピューターがいくらでもやってくれる。計算結果よりもその過程を重視する制度。時代をつかんでいて素晴らしい。受験生に優しい。

勉強方法は主にレンタ@1歳が昼寝している隙間時間を中心にやっていたがそれでも合格できた。ただし、前提条件として簿記の知識、管理会計の知識が一通りあったからだとは思う。減価償却って?ところからだとちょっと時間がかかりそう。せめて簿記3級程度の知識がないと難しいかなと思う。

 

超注意点。

この資格の超注意点はなんといっても「とにかく早く申し込む。」ということ。ある程度自信がついてからとか考えている暇があったらまず申し込むべき。受験費用は1級でも2,700円。そこまで高くはない。

なぜに早く申し込むべきか。それはあまりにもマニアックすぎて受験会場が少なすぎるから。もうびっくりすくらい。これぞマイナー資格の洗礼。私は申し込み開始から10日後に申し込んだが東京近辺の会場は早々と満席で受付終了。というか、首都なのに東京会場がない。首都移転なぞしていないはず。私の家からの最寄り会場は埼玉県川口市だが満席。次に近い横浜市も満席。残る関東会場は神奈川県大和市と茨城県日立市、群馬県高崎市。残された会場を見て受験するのを諦めようかと思うほど。東京に住んでいながら受験の為に片道2時間かけて行くのか。しかもこんなにもマニアックな試験の為に。しばし悩んだが大和会場を申し込むことに。大和市は通っていた高校から近いので土地勘も多少はあり、感慨にふけるにはちょうど良いかなと。遠すぎた分当日は電車の中で集中して復習できたからいいんだけどさ。

ちなみに大和会場は駅からも徒歩15分強のビジネス系の専門学校。留学生の受け入れが主と思われ、校内にはアジア系の学生の名前がならび「右のもの出席日数不足及び授業料滞納により退学処分とする」といった貼り紙が何枚も掲示されていた。日本社会の闇をこんなところで見るとは。消えた留学生、消えた実習生はいずこに。帰りはそんなことを思いながら駅まで15分歩いていた。

 

おわりに。

最後の最後までマニアックなこの試験。受験申し込みから合格発表までWEBで完結するのはありがたいのだが合格証明書は受験会場に取りに行かなければならない。PDFはWEBでダウンロードできるのに、名誉会長の森元総理や会長の麻生元総理の印が押されたものが欲しければ直接受験会場に行くか、受験会場からの郵送手続きが必要。ハイテクなのにアナログだよ。

と言うか、森元総理が名誉会長、麻生元総理が会長をつとめているのならばこの資格はもっともっと普及してもいいのにと思う。誰か忖度する人はいないのか。実用性は高くないものの勉強すれば確実に合格できるし、勉強することで体系的に法人税について学ぶことができる。ちょっとした隙間時間の勉強で十分だし、過去問だけでも合格できるのでコスパは非常にいい。合格率の高さを知らなければ「法人税1級!凄いですね。」なんて賞賛されるはず。ぜんぜん凄くないんですけれどね。

敵は受験会場だけ。申し込み開始日当日はコンサートチケットを獲得するつもりで挑まないと痛い目を見ます。