逆耳なし芳一。
って何かと言うと、水いぼを取る前のナツオ。
ナツオ4歳に水いぼが目立ち始めたのは秋頃。
ポツポツといぼがナツオにできていた。
アトピー治療の為に定期的に通っている皮膚科で相談すると、
①とることもできるが痛くて大変
②半年から1年で自然治癒していく
とのことでそのまま放置ということになった。
その後は毎月の通院の際にもいぼに関しては放置。
友人の皮膚科医に軽く相談すると同様の回答を受け、まあそんなものかと放って置いた。
そして気が付けば、両手、両足、胸、お尻といぼいぼがナツオの体にびっしり。まるでフジツボのよう。
ちょっと多くなってきたかなと思ったタイミングで保育園より連絡が。
「水いぼが目立って増えてきている。他の子どもにうつるリスクを減らすために長袖着用でお願いしたい。」
もうすっかり夏だというのに、長袖の洗礼。
暑いのはもちろん、一人だけ長袖ってのはかわいそうだろ。
むむむ、むむむ。
と悩んだ結果、最近オープンした別の皮膚科に相談しにいくことに。
すると、綺麗な女医さんに開口一番、「よくここまでいぼを育てましたね。」と感心される。
なるほど、いぼってのは育てるものなのか。
と変なところに感心してしまった。
そして相談の結果、水いぼをとることに。
皮膚科医の中にも考え方があり、
①きりがないし、無害だから自然治癒を待つ
②そうは言っても子どもがかいてしまって広まってしまうので早目にとっていく
の2種類があるそう。
最初に行った病院は前者で、こちらは後者。
しかし、難しい話よりも心が動いたのは、女医さんにもお子さんがおり、昼寝しているタイミング等でいぼを早め早めにとっていたというお話。
なんだろう。
親になって以降、エビデンスも大事だが、先輩ママさん、パパさんのお話に、より影響を受けるようになった。
答えがない世界ならば、信頼できる方を選びたい。
そこで、いぼ用の麻酔シールを受け取り、改めて来院していぼを取ることに。
そうして生まれたのが逆耳なし芳一。
ふじつぼのようにびっしりとついているいぼにシールを貼っていく。
夫婦で約40分の大仕事。
しかし、息子の為ならばやってやるっきゃない。
一心不乱に麻酔シールをハサミでちぎっては、裸で仁王立ちのナツオの体中にシールを貼っていく。
手足はもちろん、お腹や背中、お尻まで。
阿弥陀寺の和尚さんもきっと同じ気持ちで芳一に経文を書いていったのだろう。
およそ1,000年の時を経て芳一が今、蘇る。
なんてシールを貼りながらキャッキャッしていたら、案の定妻に怒られる。
くだらないこと言ってないで早くやれ、と。
その通りです。
シールを貼り終え、耳なし芳一状態でそのまま皮膚科へ。
シールのおかげで皮膚の感覚が鈍っており、シールごといぼをつまんでも痛くない、らしい。
せっせ、せっせとシールごといぼを取っていく医師。
そして、痛くはないが違和感に耐える仁王立ちの息子。
容赦なく襲ってくるピンセット攻撃にもびくともしない。
この姿。
まるで、弁慶。
弁慶の仁王立ち。
そんなことを考え、にやにやしながらナツオを抑えている間にいぼ取りはとりあえず終了。
今回取り残したものはまた改めて取るということになった。
いぼが一気に減り、保育園での半そでもようやく解禁となった。
ナツオもいぼが減って嬉しそう。
よかった、よかった。
しかし、耳なし芳一に弁慶とは、平家の亡霊対源氏で、まるで源平合戦ではないか。
たかが、みずいぼ取りが源平合戦につながっていくとは。
歴史は繰り返すんですね。